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[コメント] 男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎(1984/日)

弟子屈(てしかが)から中標津まで山越えで行くって、寅は歩いて山越えしたのか? いま調べたが、道のりで50kmある。 車なら1時間だが・・・あ、姓が車だてえオチか!
G31

**ネタバレ注意**
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 ンなわけねえと思う。だいたい寅の雪駄なんて、熊にかじられる前に磨り減って無くなってるのではないか? それに、北海道には熊が出るって、北海道の熊はヒグマだが、あの黒毛の熊は何だ? ツキノワグマは本州以南にしか生息してねえやい!

 とまあ、適切な突っ込みはさておき、本作、33作目にしてのこの試行錯誤ぶりにはある意味感服する。しかし、やっつけ感というか、とってつけた感というか、手抜き感もまた半端ない。

 寅は、風子(中原理恵)からの金の無心を断った栄作(佐藤B作)につかみかかる。身寄り頼りのない東京で、心細い思いをしているに違いない風子の身の上を案じてのことだ。ところが、実は風子は希望して、トニー(渡瀬恒彦)について根室を出、東京で一緒に暮らしてたとわかる。栄作のあしらいで正しかった訳だが、この線が本作で回収されることはない。

 本作は、寅がヒロインに恋愛感情を抱いていないと言える、珍しい回。誰彼構わず惚れてしまうキャラクターだった寅の成長と言えるのか、諸般のご都合なのかは不明だ。いずれにせよ、風子を支援してやりたいとの寅の想いが空回りに終る訳で、寅の失恋ではないが、失意を描いてはいる。寅は恋愛も駄目、善意で人に尽くそうと思っても駄目で、本当に可哀想。男はつらいよではなく、寅はつらいよという映画になってしまっているところが、映画としてつらいよ。な気がする。

65/100(19/6/9記)

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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