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[コメント] 男の花道(1941/日)

群集の生き生きした描写にマキノの刻印を見る作品。
G31

 開戦直後の正月映画、なのだとか。

 ヨシモト風のドタバタしたお笑いもあれば、高勢実乗の古風なおとぼけ笑いもある、いろいろな要素の詰まったごった煮的作品。「富士がきれい」といっては大喜び、「眼医者を探せ」といっては大騒ぎ、「手術だ手術だ」で大いに憂い、「治った治った」でまた喜ぶ、いちいち群集に効果を伝播させるところにマキノ正博の刻印を見る思い。

 ≪目を治療してやった恩返しに、舞台を中座させてまで座敷へ呼び出す≫というあからさまに無理すぎる要求を、義理の優先という図式で美徳としてまとめてしまう物語の構図の、那辺にマキノの真意があるのか。それは不明ながら、ワッショイワッショイお祭り的な雰囲気だってなあたりが案外真実に近いのかも。てなことを考えさせられた。

 昔の邦画をよく見るようになってから、三味線とか唄とかには良さを感じるようになってきたが、長谷川一夫が披露してくれる、舞だか踊りだかには、どこに良さを見出したらいいのか、いまだにわからない。

75/100(09/05/24見)

(評価:★3)

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