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[コメント] パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉(2011/米)

「なるほどこれはこういうことだったのか」という布石というか伏線みたいなものを感じたのは本シリーズで初めて。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 相変わらず観る者を置き去りにしてテンポよく場面が進む作品ではありました。これまでチラリとも話に出てきたことない“黒ひげ”なる海賊が海賊業界の総元締めみたいな存在として描かれるのは何なんだ?とか。バルボッサはなんで海賊を辞めてしまい英国の海軍将校かなんかに収まってんだ?とか。人魚を水から揚げると足が生えるのか?とか。

 ただ、黒ひげ船長の初登場シーンにおけるその髭の黒々しさたるや、これまで二重船長という稀有な物語をまっとうしてきた本シリーズが、ついに本気で3人目に取り組むのか?と思わされる貫禄・迫力でありました。もっともこの貫禄は登場シーンがピークで、後は話が動けば動くほど迫力を失い、最後はなんだか分からない藻屑になって消えていくという、本シリーズらしさに落ち着いてはいました。

 バルボッサが自分の足を自分で切り落とした理由も天晴れでした。黒ひげの妖術で操られたロープに足を絡め取られ、船・ブラックパールもろとも暗黒海に引きずり込まれそうになった際、自分の運命は自分で決めると、自由になる手を使って自分の剣で切り落としたのです。海の男・海賊の船長・その他もろもろにふさわしい男気と言えます。もっとも「バルボッサは自分の運命は自分で決める」という決め台詞を2回、繰り返して言ってたのは少々残年でした。

 キーラ・ナイトレーに代わる紅一点、ペネロペ・クルスも、持ち前のフォクシーな魅力で男の籠絡を図り始めたのはようやく最後に無人島に取り残されるところから。黒ひげを実の父親とすることで、その種の魅力をストーリー上の大半で発揮できなくさせてしまった脚本戦略上の設定ミスを指摘できると思います。

(評価:★4)

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