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[コメント] アポカリプト(2006/米)

緑、緑、緑・・・。ジャングルって多様すぎて、どこ見ても変り映えがしない。同じシーンが続くと退屈する。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 オブラートにつつまれ口当たりが良くなってはいるが、ここにも家族最優先主義が見てとれる。これは最近の米映画の主流だが、例えば『怒りの葡萄』なんかを見れば、昔からの伝統ではないことが分かる。これも行動の単位は家族だったが、社会との連帯意識(ないしその必要性)がより強く訴えられていた。端的に言って、追跡者たちの追跡する口実に、なぜ(それもリーダー格の)実子が殺されたというきっかけの与えられる必要があるのか。あるいは、なぜ首長一家の物語でなければいけないか。時代と場所が違っても、人間の根本的な部分は変らないという物の見方はメル・ギブソンらと共有できるが、私からすると、人間というものの構成要件に関する洞察が甘く見える。酋長が、「恐れを取り込むな。お前をそんな人間に育てた覚えはない」と息子に言っていたが、これは、恐怖や不安がいかに人の心を支配してしまうかを、身に沁みて知っている者の言葉であるはずだ。彼自身が恐れを克服してきた男であるはずだ。だとするなら、「恐れに支配されるな。お前には克服できるはずだ。私の息子なのだから」と言うべきだったのではないか。

 まあ、字幕が違ってたのかもしれないけど。

70/100(07/12/02見)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)山ちゃん Orpheus

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