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[コメント] ラストコンサート(1976/伊=日)

特に変哲ない可愛らしい小品。"Richard! He is in Paris!" 主人公のたどたどしい英語も愛嬌があり、真似したくなる。使う場面あれば。
G31

 「ここにバスが停まるのね」「街には行かないぞ」なんて会話がありましたが、要するにバス停がどこか分からないからずっと歩いていたという描写なわけですね。冒頭からこちら、どうしてフランスの観光地で旅行者の病気診断が可能なのか不明のままですが、省略の仕方が上手く、話がテンポよく進みます。と言うより、省略を多用してテンポよく話を進めますよという観客への明確な意思表示ですね。

 彼女は突然、彼という男の中に恋に値する資質のあることを見抜き、そしてその恋に命を懸けたのです。現実感がないと言ってしまえばそうかもしれませんが(いつも言うようですが、宇宙人の乗った円盤は地球に来ませんし、スーパーカーはタイムマシンになりません)、純粋で、美しい物語であるとは言えると思います。たまにでも映画を観る方であれば、本作を成立させるのに必要なすべての要素を作品中に見出だすことができると、確信を持って言えます。

 キャンディーズ好きの中学生がなんらかのきっかけで見に行ったとしたら、確かに感激して気に入ってしまう作品かもしれないと思い直しました。

80/100(15/04/14記)

(評価:★4)

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