[コメント] レザボア・ドッグス(1992/米)
辞書引いても1.の意味しか出てこないが、「貯水池の犬たち」ってどういう意味なんだろう。『パルプ・フィクション』みたいに冒頭で用語解説が欲しいところだ。
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2度、3度と観るとタランティーノの天才がわかる映画。
皆さんご指摘のとおり、すべてを詰め込み、すべてを象徴している冒頭のカフェでの会話シーンが秀逸で、のっけから映画の世界に引きずり込まれる。実際のギャングが仕事(強盗)前の時間潰し(?)にこんな所でこんな会話するか?とか、一緒に仕事行くからといって黒ずくめのスーツにサングラスまでお揃いのスタイルに統一するか?といった疑問はあるが、リアリティを追求するというより、絵的な演出効果を狙ってそうしているのだろうが、それがカッコイイんだからしょうがない。
マドンナの「Like A Virgin」について語るのも、下品な内容と論法の知的さの組み合わせが、“クール”を巧く演出しているだけでなく、「いま現在のアメリカに生きている人たちなんだな」と感じさせるのに役立っている。
会話の中から、各人のキャラクターばかりか人間関係まで浮かび上がってくる構成の見事さにも舌を巻く。1回目で誰が「犯人」かわかった人がいたら凄い(とりあえずそういう映画ではない)が、2度観れば、確かにこいつ浮いてるな、ということぐらいはわかる。タランティーノの天才を感じる瞬間である。
“クール”が売りだが、登場人物は泣いたり叫んだり、必ずしもクールとは言い切れない。“reservoir”にコメントに書いたような意味を持たせているのだとしたら、自分が産み出したキャラクターたちを、「掃き溜めの犬」呼ばわりする監督の突き放した視線が最もクールなのではないかという気がする。
80/100(01/10/27記)
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