[コメント] 鉄コン筋クリート(2006/日)
届かない、その痛み。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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原作は未読。
大がかりな舞台装置の上にのせられる物語はいろんな意味で希薄なものに感じた。言いたいことはいろいろあるけれど・・そもそもなんで僕らの皮膚感覚からかけ離れた跳躍をふたりにさせるのか?車から落ちても空から落ちても死なないのか?いくら映像がすごくても緩い制約の中からは緊迫感は生まれない。またこのふたりと「宝町」の繋がりが見えない。それどころか、ふたりの間の繋がりさえも・・。ああ、それが「ネジ」だったんだと感じさせてもらえなかった。だから、それらしい台詞を散りばめてみても、シロの痛み、安らぎ、クロの苦しさが胸に迫らない。後半は観念的な映像と現実が交錯するが、もし本気でそれを伝えたいのならば交錯させてはいけない。加えて言えば最後の最後で、闇を闇、開放は青空や海というのもどうなんだ。挑戦的なテーマから最後まで逃げずに決着を着けてもらいたかったよ。
アジカンのテーマ曲に乗って疾走する予告編にはすごく期待したんだ。かなり残念。
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