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[コメント] ゴースト・オブ・マーズ(2001/米)

監督にはこの路線でまだまだどんどん行って欲しい。もっと馬鹿をやって欲しいと思ってしまうのは、やはりファンとしての思いです。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 B級の雄カーペンターがSFに帰ってきた!しかもホラー風味満点の、監督のファンにとってはたまらない設定で、しかもやってることがカーペンター節の音楽に乗せて支離滅裂のお馬鹿炸裂!普通だったらケチョンケチョンにけなすべきところが、この監督に関してだけは、それを狙ってやってるのが分かるので、逆に賞賛したくなる。だってこの馬鹿さ加減こそがカーペンター作品の醍醐味なんだから。

 なんせこの設定が無茶苦茶。火星で西部劇でリビングデッドでロックンロール。これだけでこの作品の説明が済んでしまう。脈絡も人間ドラマも希薄で、ただ主人公達は目の前にある現実を受け止めて対処するだけ。目の前にあるものが全てで、それを四苦八苦しながら何とか乗り越えたら、又危機が…うわあ。30年前となんも変わってねえじゃん(昔から変わったと言えば一つだけ。前作である『ヴァンパイア 最期の聖戦』(1998)から、これまでは無かった西部劇風味を加えるようになったことくらいか?)。

 この手の作品は作り尽くされてきた感があって、大抵そのラストは大爆発か、あるいは敵だけに効く殺人ウィルスの存在で一発逆転があるもんだが、それさえない。とにかく撃って殴って轢いて目の前の化け物を一体一体延々倒していくだけ。これは一種のアクションものの原点なのかもしれない。

 あらゆる罵詈雑言も全て受け止め何の衒いもなくB級を作り続けてくれるカーペンター監督には正直に頭が下がる。

 ただちょっと冷静に引いて見ると、やっぱり昔と較べると演出にキレが無くなってしまったかな?「おわっ」と思わせるシーンもなかったし。

(評価:★3)

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