「ちょっと小技が効いたＢ級映画」みたいなものにウンザリした時、どうしてもムーンウォーカーを観たくなる。 　ほとんどマイケル・ジャクソンの長編プロモーションビデオでしかないのに、どうしようもなくバカな映画。

　マイケル・ジャクソン演じるマイケル・ジャクソンが、車になって空を飛んだり、巨大ロボに変身してビームを出したり、子供を助けたりする話だ。しかもコメディではない。真面目なＳＦアクション映画、ヒーロー映画だ。あまりにもバカすぎる。マイケルジャクソンでなければ絶対に許されない。だからこそカッコいい。

　「こんなの映画じゃない」とか「下らない」とか言うのは簡単だが。「それがどうした？」と反論させるほどのパワーがこの映画にはあると思う。