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[コメント] 火垂るの墓(1988/日)

火垂るの墓の舞台と池のほとりにあった邸宅とは
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







*『涼宮ハルヒの憂鬱』関連のネタばれあり、しかも映画の感想全然なし。ロケ地情報のみ。

この映画に出てくる舞台のおばさんの家は西宮市の満池谷という所で夙川駅から北東に行ったところにある。ここから兄妹が住んでいた池のほとりは非常に近い(グーグルマップで是非探してみて)。映像でも出てくるんだけど池の給水ポンプ場の様な白い塔があってニテコ池といいます。

戦争が終わってほら穴の向かい側の家の令嬢が疎開先から帰ってきてレコードをかけるシーンがあるのだがこの場所にはあの松下幸之助の大邸宅がある。野坂が考えたか高畠が考えたか知らんが今で言う勝ち組負け組みをこのシーンで表現しているわけだ。このニテコ池を舞台に選んだのは多分に松下への当てつけだろう。

で、ハルヒ関連の話で言えば原作での映画撮影場所(池にみくるが落とされるシーン)はアニメではロケ撮影の関係上隣町の池に変わったのだけど本来このニテコ池だったようだ。池の近くの鶴屋さんの大邸宅、というのはもちろん松下邸を意識したものだと思う。あと鶴屋家が所有している鶴屋山は甲山だ。ホタルの方のアニメでは最初空襲にあった街からも小さく見えているシーンあり。この山は両アニメに頻繁に出てくる。

更に兄が妹を火葬したニテコ池の北にある小高い丘は現在中学校が出来ていて丘が(削られて)なくなっているらしいがここは(意見の分かれる所であるが)ハルヒ中学時代の象形文字事件の舞台のはずだ。

更に兄妹が米軍機の銃撃にあった(そのあとでトマトを盗み食いした)場所は夙川公園だろうからみくるとキョンのデート場所でもある。

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で、何故にこんなロケ地場所の説明ばかりをしたかと言うと順番に言えばハルヒの舞台に興味を持ち、ネットでロケ地めぐりばかり見ていたらこの映画もほとんど同じ場所だというので確認の為見てみた、というわけだ。

事前に神戸←→西宮間をやたらと覚えてしまったせいもあるがこの作品の土地勘が良かったことは非常に面白く見る事が出来た要因だ。とあるシーンなどは甲山があっちに見えると言う事はここはどこ、とすぐ分かるなんてこともあった。どちらの作品にも言えることだが作品の中でのロケ現場と実際の土地との矛盾がない事は案外重要だと思うのだ。それが創作モノだとは分かっていてもそこで人が生きているというリアリティーを感じる事が(場所を明確にする事で)より出来るからというか。

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さて、ここまで読まれた方はハルヒとホタル両方見ている方だと思うので非常に限定された人数だと思う。しかもロケ地オタでもない限りつまらない内容だしな(笑)で、ついでに言っておけばここら辺を舞台にした話と言えば小説「細雪」だ。映画にも何度かなっている。時系列で言えば細雪が昭和10年(1935年)あたり、このホタルが昭和20年、ハルヒが2005年ぐらいだろうか。この3作品、どれも地名と位置関係を即座に把握出来れば普通に鑑賞するよりも断然面白いはずだ。地理が得意な方にはお勧めである。

(評価:★3)

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