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[コメント] ただ悪より救いたまえ(2020/韓国)

前半、娘ユミンが誘拐される部分や、娘の母親(『アジアの天使』のチェ・ヒソ)の扱いについて、雑なシーン繋ぎだなぁと思え、ちょっと冷めてしまったのだが、殺し屋レイ−イ・ジョンジェが活躍し始めると、この悪役ぶりには昂奮させられた。
ゑぎ

 このレイ、最強レベルの悪役でしょう。主人公のインナム−ファン・ジョンミンがタイに入るなり、いきなり赤茶けた画面になり、デカい文字で「BANGKOK」と出る呼吸も楽しい。フィルターだろうか、明らかに東京や仁川のシーンとルックを変えているのだ。

 後半の怒涛のアクションシーンはどれも圧巻だが、娘の乗ったバンを追いかけるインナムの前に武装したレイが立ちはだかり、警察やSWATチームまで巻き込んだ銃撃というか戦闘シーンになるアクション場面は常軌を逸している。レイがどうやって切り抜けたのかは割愛されるし、インナムも娘を奪って、どう逃げたかは省略されるのだが、それも良しとする。もう一つ、終盤の、レイが運転する車の正面からインナムが銃撃し、ジャンプしてフロントガラスから車内に入る、こゝの暴走シーンも凄い。停車した後、手榴弾を使って、車を回転させる演出も見事の一言だ。生身のファイトシーンも含めて、アクションの途中で動きのスピードを変化させる(スローにする等の)モーション制御が上手く決まっている。

 あと、インナムのガイドになるユイを演じるパク・ジョンミンは、登場シーンもインパクトがあり、ちょっと臭いが、コメディパートとしていいキャラだ。それに、タイの組織のボス、ランは『オンリー・ゴッド』の刑事、ヴィタヤ・パンスリンガムじゃないか。日本では白竜豊原功補を宣材として取り扱うが、彼も取り上げるべきだろう。いずれにしても(白竜や豊原を含めて)、そんなに見せ場はなく、この点は少々残念。

#豊原功補の役名コレエダは、是枝裕和リスペクトか。

(評価:★3)

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