[コメント] 特捜部Q Pからのメッセージ(2016/デンマーク)
デンマークのミステリー、特捜部Qシリーズの映画化第三弾。本作も全編ハラハラドキドキ、良く見せる。監禁の怖さは一作目『檻の中の女』に及ばないし、犯人あるいは事件の変態性は二作目『キジ殺し』の方が断然楽しかったと思うのだが、
本作は、中盤の列車アクションや、クライマックスの画面作りの視覚効果で、過去二作を凌駕していると云えると思う。全体的な評価は、人によって好みが分かれるところでしょうが。
ワタシとしては、身代金受け渡しのために列車が使われるシーケンスが、一番興奮した。ドアを開けた列車と、カールとアサドが乗った自動車が併走するカット。これしびれました。あとは、監禁場所で行われる行為は、なんか生ぬるいと思うのだが、この場所が、海沿いの風力発電機(でっかい風車)が近くにある、船小屋という、このロケーションがスペクタキュラーな画面を作る。ヘリを絡めた画面がダイナミックなのだ。
ただし、犯人−ヨハネスの子供時代、母親と姉とのフラッシュバックが、ありきたりだと思ったのと、列車の場面の後の、病院のシーケンスにもヨハネスが登場し、さらなる殺人を実行する展開は、いくらなんでもやり過ぎだろう。
人の信仰心を奪う、という動機は、理屈っぽいわりに、納得性が低い。ただ、無神論者のカールに対して、お前ほど信心深い信者はいない、とヨハネスが云う場面は、価値が転倒して興味深かった。
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