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[コメント] 無伴奏(2015/日)
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★3行き先知れずの窓のない列車内を思わせる喫茶店内。産道を遡り行きつく子宮のような竹藪の奥に潜む薄暗い茶室。そんな「途中」を象徴する装置の閉塞性や、細かな画面の切り返しと硬質な書き言葉セリフが、時代性を帯びた自主制作映画のような息遣いを作り出しす。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
★4結局はこの顛末が主人公に何かをもたらしたわけでも無さそうで、寧ろ無いことが成海璃子のノーブル且つ無頓着演技で際立つのが清々しい。自己愛に浸りたいところを回避し得ている。大騒ぎの片隅で、ただただ無為に内省的な思索にふける時代性が心地よい。 (けにろん)[投票(3)]
★4これも暗い画面が心地よい。そしてそれは、二つの異空間−名曲喫茶「無伴奏」と竹藪を抜けた茶室−の見せ方が良いということだ。どちらもローキーに徹している。特にこの茶室。増村保造の『千羽鶴』を想起する。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
★3矢崎仁司監督作に留まらず、趣向を凝らした陰影を画面に刻み続けてきた石井勲大坂章夫の業績はあらためて讃えられてしかるべきだが、しかしこれはさすがに照明の引き算が過ぎる。少なくともこれがディジタル撮影/映写にとって最もあらまほしきローキイとは思えず、ふとフィルムのグレインが恋われる。 [review] (3819695)[投票(3)]