[コメント] 言えない秘密(2007/香港=台湾)
高校生時代の恋愛って、青臭くそして物悲しい。ピアノで結びついた二人の淡い恋はそれでもめらめら燃えて本物の空を焦がす恋となってゆく。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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見事な才能を披露したジェイ・チョウの演出、脚本、主演、音楽、そして台湾の映像の鬼才リー・ピンビンの濃淡明確な撮影。魅惑的で、ミステリアスです。韓国映画「イル・マーレ」とイギリスの名作「嵐が丘」を足して2で割ったような純粋培養恋愛映画が輩出された。
思春期の恋愛って、最初は淡いけれど本物になってくると本格的な大人顔負けの恋愛になってくる。命をかけても相手と離れられない心情は古今東西同じ、今でも僕たちの胸を打つ。若いからこそエネルギーも一挙燃え盛り炎は燃え広がる。そんな男女の鼓動、最初は滑らかで、そのうち激しくなる過程が初々しい演出で魅せてくれる。
台湾映画なんだけれど、何故か色調は西洋風だ。ヨーロッパ映画を見ているような錯覚さえ覚える。映像は一挙現実を夢幻化させてくれる、ほろ苦く哀しい、命を賭けた青春を彩っている。うーん、好きだなあ、何か思春期の時に本格恋愛小説を読んだ、そんな胸キュンな感覚を蘇らせてくれる。
ジェイ・チョウがグイ・ルンメイと20年前の世界に逝ってしまうラストが強烈に物悲しく、ホント「嵐が丘」のキャサリンとヒースクリフを思い起こさせる。年齢にかかわらず本当の恋愛は強いです。秀作だ。久々に心ときめきました。
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