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[コメント] プリティ・ライフ パリス・ヒルトンの学園天国(2006/米)

カラフルでキラキラした画面上に展開する、下ネタの連続。嘘か真か、セレブに群がるバカ学生の乱れた珍獣的生態は割と面白いけど、ラストは尻すぼみ。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







バカにして苛めてきたイケてない人たち(←パリス規準)に復讐され、あっさりと「やっぱり、心が大事よね」と掌を返すパリスに対する、全身整形美女の「散々やってきて、今さら何が‘心が大事’よ!」というツッコミは、観客から投げられる筈のツッコミを予想して代弁させた台詞のように見え、この整形美女の顔面に「お前、空気読めよ!」とケーキをぶつける女の子も、自分で自分にツッコミを入れるパリスへの更なるツッコミ、といった観がある。この辺はギャグとしてはかなり寒いのだけど、もはやギャグというよりは、他人から受けるであろう批判を予め自分で自分に向けてみせる、という、自虐的かつ防御的な身振りに思えてくる。

パリスがイジメの被害者たちから受ける復讐が‘隠し撮り’である点は、実際にセックス・ビデオの流出で煮え湯を飲まされたパリス自身の経験が反映されているのだろうけど、あの逆襲を受けた後に述べた反省の弁は、何とも表面的で、心情が全然伝わってこない。この映画には何か、パリスが現実の流出事件を、「まぁ、私も調子に乗り過ぎてたのかも知れないし、仕方ないわ」と諦める為の儀式、というか、自他に「私は理不尽にやられっぱなしなままの、可哀相な被害者じゃないのよ」と納得させる為の、デモンストレーション、とでもいった無理やり感、ぎこちなさを感じてしまう。その軽薄な身振りの下に潜む感情がなかなか窺い知れないような所のある映画。

変なオカマ芸者の「神州不滅!」はちょっと笑ったけど。

(評価:★3)

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