これは配給会社も苦労しただろうなあ。『Crash』と言うタイトルも観れば納得！と言う感じなので無下に邦題つけるわけにもいかないし。とは言っても最近の配給会社は邦題つけ無さ過ぎで楽してるなぁとも思いますが。

やはり構成として見事なのはあの店主と鍵屋のシーンでしょう。あの時点ではまだ観客としてもこの作品がハッピーエンド主体とアンハッピーエンド主体のどちら側に走っていくのかいまひとつ掴みきれない状況で、どっちに転がるのか、誰がどうなるのか非常に不安定な状況だったのでものすごく緊迫感のあるシーンに仕上がっていました。正直この作品であそこまで緊張するとは思ってもいなかった。

こういう映画を観るとマット･ディロン・ドン･チードル・ウィリアム･フィクナーなんかは言うまでもないのですが、主要なキャスト以外、子役に至るまでアメリカの役者の層の厚さをしみじみと感じてしまいます。