ホテルで起きた無差別殺人事件に関わる人々に襲いかかる恐怖を描いたホラー映画｡

ストーリー設定が過去の幽霊映画の流用だらけで､オリジナリティが微塵にも感じられない｡殺人医師の登場､ホテルで起きた無差別殺人被害者の前世を持つ人々が同じ惨劇に巻き込まれるところは『TATARI』に近いし､主要キャラが予知夢を見たり､幽霊少女に翻弄されたりするところなど同じダークキャッスル作品の『13ゴースト』『ゴーストシップ』『ゴシカ』と似たような部分が多い｡

ストーリー展開も結局､ホテルでの無差別殺人の被害者が怨念となって犯人の前世を持つ主人公を襲うという典型的なもので､事件被害者の少女の前世を持つのが主人公でなく女子大生の弥生であることも､主人公の前世が無差別殺人犯の医師であることもすぐに予想がつく｡

事件被害者の怨念が35年後になぜ主人公を襲ったのかも不明｡身に覚えのない前世の罪で報いを受けてしまう主人公に同情する以外は特に印象に残らなかった｡