[コメント] その男、凶暴につき(1989/日)
ギャグと恐怖の境界線で暴力を爪先立ちさせる無敵の手腕を感じさせる。わずかに(ここ重要)不気味なコント寄りの前半から真性の暴力に至る後半への匙加減の繊細さと危うさに鼓動が早くなる。生きたいでも死にたいでも殺したいでも殺されたいでもない、あるいはそれら全てのような、濃密な空虚の気分。逆光で武を捉えるカメラの禍々しさには黒沢清もビックリだろう。
(DSCH)
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