[コメント] 10ミニッツ・オールダー イデアの森(2002/英=独)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
比較の対象は『人生のメビウス』。
ていうか何だこの邦題。 ちなみにオリジナルタイトル、あっちは『The Trumpet』こっちは『The Cello』。 その方がずっといいと思うんだけどね。どうして配給会社は無い頭使ってまで余計な事をするんでしょう?
あっち(『人生のメビウス』こと『The Trumpet』)は、名だたる監督達が基本的に直球勝負している物がほとんどだった。それも目を見張るような本格派剛速球。 ところがこっちはみんな変化球。しかもヘナチョコ。 ま、各人の「味」をバイキングするいい機会であった事は間違いないですが。
以下、寸評。
ベルナルド・ベルトルッチ:素人の脚本や大学生の自主映画でよくある話。最悪。ベルトリッチの良さは「超大作」か「超小品」で発揮されるのに、中庸になってしまった。
マイク・フィギス:四分割が何の効果も上げていない。スクリーンに生卵を投げつけたくなった。超最悪。『リービング・ラスベガス』の監督ね、分かりました。二度と観ません。
イジー・メンツェル:顔に刻まれた皺の数だけいろんな人生を歩んできたって言いたいんだろうけど、こんなもん、石原裕次郎とか美空ひばりとかのよくあるテレビ特番と同じじゃん。『つながれたヒバリ』の監督ね、分かりました。二度と観ません。
イシュトバン・サボー:人生なんてたった10分で変わるって言いたいんだろうけど、あまりに陳腐な話。ワンカットで収めきれないなら最初からやるな。かえって格好悪いから。
クレール・ドゥニ:まさか10分の短編で眠くなるとは思わなんだ。早送りしたくなった。最低最悪。その哲学をちゃんと「映画」で見せて下さい。『パリ、18区、夜。』の監督ね、分かりました。二度と観ません。
フォルカー・シュレンドルフ:四半世紀も前の『ブリキの太鼓』で終わってしまった監督だから、まあ、こんなもんでしょ。ガッカリするほど手法が古臭い。
マイケル・ラドフォード:これが一番面白かった。他が異口同音に「人生は長いようで短い」と平凡な事を言っているのに対し、「短いと思ったら長かった」という逆転の発想を提示してきた。『イルポスティーノ』の監督、その特徴と幅の広さがよく分かった。
ジャン・リュック・ゴダール:わははは!ゴダールだ!ゴダールだ!間違いなくゴダールだ!わははは!
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